倉庫の王様
今日このままフラれたらあの秘密の倉庫には行けない。



彼女にもなれないし近づけなくなる…。



「俺帰るから後は自分でどうにかしろ」

「…………」

「じゃあな」



スーツを取って玄関に向かう先生…。



このまま帰せない…。



絶対イヤ!!



「先生っ!!」

「ん…!?お前なにしてんだよっ!!」

「制服…いらないもん…」

「本気で脱いでんなよバカ!!」



涙が止まらない。



恥ずかしいしバカみたいなことしてるってわかってる。



先生を困らせてることもわかってるもん…。



「本気にすんなよ…」



そう言って近くにあったバスタオルをかけられた。



悔しい…。



あたしが16歳じゃなくて…先生の生徒じゃなければ…。



「泣くなブサイク」



ここまでして…困らせてるのに…この髪を撫でてくれる手があたしだけのものになってくれることを願ってしまう…。



好きすぎて苦しい…。



痛いよ先生…。



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