倉庫の王様
担任が誰かなんてどうだっていい。



あたしは先生に会えなくなるのがいちばん怖い…。



だけど始まった始業式で出かけてた涙がピタッと止まった。



『新理事長からの挨拶』



泣くのを我慢して見つめた先には真っ黒の髪になってる先生がいた。



先生が…理事長?



他の生徒がザワつくのもムリはない。



スーツを着たスマートな理事長…。



また泣きたくなるほどカッコイイ…。



「理事長に昇進しちゃった」



やっぱり先生らしい一言で始まった挨拶。



ドキドキが止まらない…。



「とりあえず…。今学期から理事長を勤めさせていただくことになった宮 遊和です。固い挨拶は苦手なので、まぁ…悔いのない学生生活を送ってください」



ニコッと笑う先生に胸が痛くなった。



その後の担任紹介は上の空。



一応あたしのクラスは羽賀先生が担任だってことはわかった。



絶対先生が仕組んだんでしょ?



まだ好きでいてくれてる?



あたしはまだまだ大好きです。



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