倉庫の王様
ソファーに先生を寝かせて怒った。



なんだか一瞬で昔に戻れたみたい…。



「お前んちに挨拶行くから」

「今日!?」

「父にお礼言いたいしアユミにも謝りたい。なに意地になってたのかな、俺…」



『自分のバカさ加減に呆れた…』



そう呟いた先生にまたキュ~と胸が痛くなった。


諦めずに好きでいてよかった…。



その時にノックされたドアに飛び起きた先生。



走って開けたドアから入って来たのは教頭先生だった。



非常にヤバくない?



あたしと先生ふたりだよ!?



「そちらは…」

「あぁ、龍ヶ崎です。親御さんからほら、ね?」

「あぁ!!龍ヶ崎さんですか!!お父様によろしくお伝えください!!」

「そのことで今日伺おうと思ってたんですよ。なっ?」



先生のごまかしを全く怪しまなかった教頭先生は、書類を置いて出て行った。



ヤバイくらいドキドキした…。



「心臓に悪いからここにはもうくんなよ?」

「うん…」

「カギ、返す。ヒマな時に倉庫に来い」



やった…。



嬉しいよ先生っ!!



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