倉庫の王様
久しぶりの毛玉との再開。



そっぽ向かれたんだけど…。



「毛玉は俺ん家の娘になった」

「俺を忘れたのか!?」

「いや、お前以上に俺が好きなんだろ」



ウソだろ毛玉…。



ほっといたから俺のことなんか嫌いになったのか?



仕方なく預けたんだぞ?



「お家に帰ろう?」

「…………」

「毛玉!!」



走って逃げられた…。



髪を黒くする時に来たらお前寝てたじゃん?



だからそのまま帰ったんだぞ…。



「で、サッチンとはうまくいったか?」

「うん、なんとか」

「言うなって言われてたから言わなかったけど、あの髪、俺が切った」

「は!?なんで止めなかった!?」

「遊和のことをどうしても忘れたいって言うから」

「髪…」



そんなことまでさせたのは紛れも無く俺で…。



これから償って行かなきゃいけないと、改めて思った。



ちゃんとサチのこと幸せにしてやるから。



「帰るぞ毛玉~!!」

「諦めろ。毛玉は渡さない」

「毛玉ぁぁぁぁ~…」



俺、頑張るよ。



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