倉庫の王様
髪をいじられたり化粧されたり…。



おもちゃにされてるサチを気の毒になりながら見てた時だった。



バンッと思い切り開いたドアからは慌てた妊婦の登場。



「な、なにしてんの遊和!!」

「あっ、バレちった」

「お前っ…バレたじゃ済まねぇだろハゲ!!」



怒りの妊婦は最近気性が荒いんだろうか。



怒られてばっかり。



「アユミが留守番頼むからじゃん」

「隠れろよ」

「サチが帰って来たと思ってドア開けたんス」

「お前いっぺん死ぬ?」



和かかりし頃のアユミを見てるみたいだ…。



昔は彼氏が浮気したとかで大暴れしてたっけな~。



やんちゃな少女の面影たっぷりじゃないか。



「サチの…お姉…さん?」

「なに!?あたし!?サッチャンのママ」

「「父の嫁~!?」」



おっ、標的変更か?



助かったよアユミ。



俺はコイツらのパワーについていけないから。



遊ばれて派手な顔をしてるサチはやっぱり俺の好みじゃなくて。



普段のサチがカワイイのに…と、心の中で思った。



< 373 / 621 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop