倉庫の王様
シャワーの音が聞こえてから数分、ネズミさんは天井の小さな穴に消えてった。



たまにここを掃除してくれたり水を出しに来てくれる人がいるんだけど、そんなに頻繁に頼んでるわけじゃない。



食器とか調理器具は最近新しくしてもらったけど…。



じいちゃんがここを買った時もすっげぇ古い家だったから仕方ねぇんだな。



俺が超金持ちにでもなったら新しく建て替えよう。



キュッというシャワーの止まる音を聞いてから、ずっと持ってたサチの着替えをタオルの上に置いてバスルームから出た。



居間でタバコを吸いながらテレビを見てたらやっとサチ登場…。



「あ、ありがとうございました…」

「いえいえ。じゃあメシでも作ろうか」

「はい…」



昼も食わなかったから腹減った…。



冷蔵庫に入れてた食材を取り出してサチに渡した。



やっぱり手際がいい…。



アユミとは大違い。



「すぐできちゃうけど先生はお風呂いいの？」

「じゃあ俺も先に入るかな」



なんか…新婚気分かも…。



< 393 / 621 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop