倉庫の王様
それからサチと未来の話しをした。



結婚したら女のコと男のコがほしいとか、倉庫には住みたくないとか。



「絶対実家に同居しないもん」

「長男の嫁なのに?」

「家は桔梗君が継ぐでしょ!?あたしいらないよね!?」

「ははっ!!ウソウソ。焦んなくても同居はしねぇから。言っとくけど俺も父と同居はしねぇからな」



アユミが義母なんて最悪だ。



だけどサチからしてみればスミレが小姑になるとしたら最悪だよな。



可哀相なサチ…。



「幸せになろうね?」

「そうだな。お前はいっぱい辛いことあったんだからそれ以上に幸せになんねぇとな」

「辛いことなんかなかったもん。いつも幸せだったよ?」



サチの名前の響き通り、幸せそうな顔。



俺がお前をたくさん笑顔にしてやるから。



「もう絶対離れたくない…」

「うん、離さないでね?」



あんな思いはもうしたくないし、させたくない。



これからもずっと一緒にいたい。



死んでも離さない。



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