倉庫の王様
スーツを着てて、いつもと違って髪を上げてる…。



カッコイイな父…。



「名前決めたんですか?」

「サラだって。アユミがつけた」

「サチ関連?」

「そんなとこ。写メ見る?ってか見るよね?」



顔が緩い…。



ポケットから取り出した携帯の待ち受けが生まれたての赤ちゃんになってる…。



「口元サチじゃないスか?」

「俺って言ってくれる?まぁ俺が死んだ兄貴に似てるから仕方ないけどさ…」

「カワイイっスね…。サチもこんな感じだったんだろうな…」

「少し似てるかも。だけどサチが生まれた時は誰も祝ってあげられなかったから…」

「あっ、無神経なこと言ったっスね…」

「誕生日はたくさん祝ってあげたいね」



そんな寂しそうな顔をする父を見て気づいた。



俺とサチが始めて泊まり許可を貰ったのはたしか俺の誕生日…。



だから許してくれたのかも…。



父はやっぱり俺には超えられないくらい大きな人だと実感させられた。



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