倉庫の王様

顔を見てるのが辛くて飛び出してしまった病室。



行く宛てもなくひたすら廊下を歩いた。



荷物置いて来ちゃった…。



「先生っ…」



ものすごく苦しい…。



なんでこんなことに…。



あたし…頑張れないよっ…。



「サッチン？」



その声に顔をあげると真央さんが立ってた。



すごく切なそうな顔をして、胸を貸してくれた…。



「真央さんっ…。あたしもう…」

「わかったから。なにも言わなくていい。辛いよな？」

「うぅぅっ…」



人気のない廊下で慰めてくれる真央さんはいつもの軽い感じじゃなくて、すごく有り難い…。



大人だね…。



「サッチン、負けんな」

「ムリですっ…」

「遊和も今少し混乱してるから。大丈夫だ、サッチンと遊和なら」



なにを根拠に？



どう頑張ればいいの？



あたしにはもう諦めるって選択しか残ってないよ…。



もう一回好きにさせるなんて…あたしには自信がない。



最悪の失恋…。