倉庫の王様
俺にとっては知らない女からずっと攻められてる気分なのに。



思い出したら俺はあのチビのことを好きになんの?



それで満足?



もうどうすりゃいいんだか…。



夜は寝たくてもあのチビの顔がチラついてなかなか寝付けない。



「宮さん?眠れない?」

「うん…」

「薬出します?」

「いらない」

「じゃあ寝てくださいね~」



眠れるもんなら寝てぇよ。



俺にとっては無駄な時間なんだから…。



テレビを見てたらいつの間にか眠れた。



看護師が起こしに来て、朝だと知る…。



味気ない病院のメシは手をつけず、検査の時間までまた寝た。



その日の午後、またアイツがやって来た…。



「先生が好きなキャベツのサラダ!!今食べたら冷たいよ?」



キャベツ…。



腹減ったし…。



「食う…」

「本当!?いっぱいあるからね!!」



ドレッシングまで俺好み…。



マジで付き合ってたらしいと初めて実感した…。



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