倉庫の王様
元気に見えるけど、先生の心はきっと辛さでいっぱいなんだろう…。



ごめんね、何もしてあげられなくて…。



先生はあたしに話しかけなかった。



だからあたしも話すきっかけがつかめなくてだんまり…。



「休憩…。誰か変わって…」

「俺免許証忘れた~」

「じゃあ遊和ね。サッチン助手席乗って。洋チンと後ろで寝よう」



また気まずい…。



パーキングエリアで運転を変わった羽賀先生…。



何も言わず助手席に乗るあたしを先生はどう思ってるのかな…。



「喉乾いた」

「あっ…自販機で何か…」

「コーヒー買ってきて」

「うん…」

「ちょっと!!これでサチの分も」



トイレの前の自販機に行ってニヤケてしまった…。



先生が呼んでくれた名前…。



あたしの分も買っていいってくれたお金…。


泣いちゃいそうなくらい嬉しい…。



先生の好きなコーヒーを選んで車に戻った。



「はい!!これお釣り!!」

「なんなのお前。マジで俺のこと知ってんだな」



コーヒーを受け取りながら笑ってくれた先生にキュンとなった…。


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