倉庫の王様
海の家で食べたヤキソバの味なんか全くわからなかった。



今のこの不思議な気分がなにものなのかわからなくて…。



まともに目を見て話せないなんて初めてだった。



そのまま夢中で真央とサーフィン。



サチのことを考えないように…。



夕方になって戻った旅館でまず風呂に入った。



トーヤと真央と。



「サッチンどう?」

「は!?」

「ねぇ、好きなの?」

「好き…?」

「やり直したら?」



やり直すって意味が俺にはわからない。



今から始めるならわかるけど…。



サチが気になるのは確か。



ずっとアイツの泣き顔が頭から離れない…。



胸の奥がモヤモヤする…。



「真央っ!!お前は好きなの?」

「俺!?ってかお前ら女子かっ!!って感じなんだけど」



確かに…。



こんな話しはやめよう…。



はぐらかされたような気もする真央の恋バナ。



俺は俺で考えなきゃいけないのかもしれない…。



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