倉庫の王様
俺の顔の熱さは尋常じゃない。



でも言わなきゃ伝わらない。



俺を忘れるなんて許せない…。



「これからも俺といたらきっと傷つける」

「うん…」

「だけど…お前といたいと思うのはおかしいか?」



ブルブルと首を横に振るサチがやっぱりカワイイ…。



離したくない…。



健気に俺に尽くしてくれてる…。



ありがとう…。



「記憶が戻る保証もないし、今までのこと、思い出せる気がしないけど…一緒にいてほしい…」

「うんっ…」

「思い出忘れたままでも受け入れられんの?」

「今から作るから!!先生がいるなら思い出なんていらないっ…」

「ごめん。酷いことしてごめんな…」



ジワッと目頭が熱くなった。



数年泣いた記憶なんかないのに…。



申し訳なくて泣くのなんて初めて…。



ごめん、サチ…。



「お前のこと、これからいっぱい教えてな?」

「頭に詰め込めないくらい教えるっ!!」

「泣くな。泣くな泣くな」

「チューしてくれたら泣き止む…」



キスしたら余計泣かれた。



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