倉庫の王様
全く記憶はないけど、ちゃんと向き合いたいと思う。



サチを守ってやりたくて、すっげぇ抱きしめたくなる。



これって好きなのかもしれない。



「いっぱい抱きしめて…」

「うん」

「好きって言ってよ…」

「好き」

「うわぁぁぁぁんっ!!」



カワイイ。



愛おしい。



俺をこんなに思ってくれるヤツ、サチ以外いないと思う。



たくさん抱きしめてやるから。



思い出もこれから作る。



失った記憶の分はサチが少しずつ教えてくれたらいい。



「メシの時間すぎてっけど…」

「お腹空かない…。先生がいるならなにもいらない…」

「ダメ。お前痩せてっから。いっぱい食わせる」

「抱っこ抱っこ…。もう離れない。別れたらストーカーになるから」

「じゃあ別れない。ほら、メシ行くぞ」

「大好き大好き大好き!!」

「わかったって」

「好きすぎて苦しい…」

「俺も」



こんなに苦しいのは初めてだ。



これから、大事にする。



本当にごめんな?



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