倉庫の王様
遠慮？
【サチ】



先生との試練は乗り越えたつもり。



夏休みが終わって今日から学校。



先生はあれから学校に行って仕事を覚えるのに一苦労してた。



何度か先生のガレージに行き、ご飯を作ってあげた。



頭使いすぎて死にそうな顔してるんだもん…。



それに、旅行であげた指輪を見て気に入ってくれた先生は肌身離さずつけてくれてる。



あたしの作品第一号だよ。



記憶が戻るかはわからない。



だけどいいの。



これから始めるから。



「行って来るね、サラ」

「行ってらっちゃい。気をつけてね？」

「うん、アユミさんも休める時は休みなよ？」



アユミさんと父は育児に奮闘中。



まだ眠ってばっかりだけど、今日はアユミさんに抱っこされて玄関までお見送りしてくれた。



すっごくカワイイんだよ、あたしの妹。



そんなカワイイサラにバイバイしてから向かった学校では久しぶりにみんなの顔。



先生のことがあってほとんど遊べなかった…。



プールもお祭りもあたしだけ行かなかった。



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