倉庫の王様
【遊和】



親父さんと向かい合って30分。



見れば見るほど若くて『親父』って感じがしない。



むしろタメとか少し上の先輩っぽい…。



「ご飯食べようよ!!」

「そうするか…。今日も疲れたなぁ~」

「父飲むの?仕事持ち帰った?」

「今日はないから飲もうかな」

「ビール?ワイン?」

「サチに任せる」



なんかさ…。



サチが親父さんの嫁みてぇ…。



「先生は飲む?」

「まさかサチの酒が飲めねぇわけねぇよな?」

「ちょっと父!!」



酒苦手なんだけど…。



飲まなきゃ負ける気がした。



車で来てないから飲めなくもないけど…。



俺は相当酒が弱い…。



「飲みますよ」

「ムリしなくていいんだよ!?」

「大丈夫、ってかうまそう!!」



サチって料理できんだな!!



そりゃそうか…。



親父さんとふたりだもんな。



「父~、グラス出して~」

「うん、ワインにすんの?」

「洋食だしね!!」



やっぱり嫁っぼ~…。



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