倉庫の王様
サチが悲しむとなると高橋は口外したりしないはず。



だけど俺が生徒に手を出してるって噂が流れるかもしれない。



そんなう噂なんてただの噂にしかならないだろうけど…。



2時間目が始まる前にサチからメールが来た。



『あたしはどうなったっていいから…。先生だけは傷つけさせたくない。イブ君、彼女と別れたみたいで…』



なんでお前はそんなことが言える?



ってかそんなこと俺が望んでることじゃない。



お前に守られるなんて俺のプライドが許さないんだけど?



『お前は傷つけさせない。俺はどうなってもいいから。俺の心配はするな。お前は気お付けてればいいから』



そこで止まったメール。



どうするかなんて全く考えつかない。



俺がどう出ても高橋は納得しないだろうし、引きそうにもない。



このまま様子を見るしかない状況…。



でもひとつ言えるのは…。



高橋の方が俺より優位にいるってこと。



俺、動けない…。



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