倉庫の王様
それからサチも何も言ってこなくて、高橋が動く様子がなかった。



だけど…あいつはこのままじゃ絶対終わらない。



俺なら終わらないから。



そんな気がするんだ…。



久しぶりの休日、アポなしでサチが俺の家にやってきた。



この会いたくて仕方ないって顔、たまんないんだ…。



「どうした?」

「やっぱり起こしちゃった?」

「まぁ…だけどこんなに早く…」

「先生、話があってきたの」

「えっ?」

「とりあえず中にいれてくれる?」



なんだかかなりいやな予感がするんだけど…。



絶対いい話じゃない…。



それだけは何となくわかった。



中にいれるとコーヒーを煎れてくれるサチ…。



なんだよ…。



「別れるとかなら納得しねぇから」

「なんで?先生と別れてもちゃんと好きだよ?」



そんな顔してなんてこと言うんだバカ…。



< 578 / 621 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop