倉庫の王様
会えないなんて辛くもなんともないんだから。



卒業したらたくさん話し聞いてもらって、いっぱい抱きしめてもらえる。



だから泣かないし、辛くなんかない。



「アドバイスしてください店長…」

「サチが得意な猫ライオンでいいじゃん」

「あれは先生だもん!!」



でも先生にアピるチャンス?



よし、猫ライオンにします。



さっそく紙に書いたバルーンアートの完成図。



「下手くそっ…」

「じゃあ店長が書いて?」

「貸せ。見てるとイライラする」



サラサラと…キレイな絵が…。



やっぱり店長天才。



「見ろ、これが俺の実力っ!!」

「うまいですね!!今日から師匠と呼ぼう」

「それはいいけど明日だぞ、取材。キレイにしろよ」

「お店はキレイですよ?」

「サチのことだ!!看板娘なんだろ?」



あたしをキレイに!?



なんか店長ムカつく。



「もういい。ネックレス作る」

「女物か?」

「卒業までに5コ作るんです。みんなお揃いっ!!」



あたし、前に進めてるよね?



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