倉庫の王様
今流行ってる風邪らしい…。



超お見舞いに行きたい…。



いや、ダメダメ。



俺とサチはなんの関係もない。



「水やりの時間だから」

「ムリしちゃって。もう少しの我慢だね」

「ですね~」



高橋のことはトーヤから聞いた。



だからその心配はしてないけど…。



心なしかソワソワしてたと思う。



2日後に復活したサチを見たのは昼休みの中庭。



パーマかけたのか?



大人っぽくなったサチに無性に触りたくなった。



我慢我慢…。



俺達は今別れてんだから…。



「探しましたよ理事長!!卒業生の個人面談でしょ?」

「あっ、忘れてた!!佐藤先生のクラスからでしたっけ…」

「もう待ってますから早く行ってあげてください!!」



今日から卒業生、ひとりひとりと話しをする。



高橋もサチも、いつかふたりきりで話す時が来る…。



「待たせたよな!?わりぃわりぃ」

「宮さんらしいね。先生ん時と変わんねぇの」

「そうか?大人になっただろ~。で、進路は決まった?」



他愛もない話しをする時間…。



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