倉庫の王様
助言したり、慰めたり、励ましたり。



今の俺、そんな役割。



サチのクラスは年が明けてからって言ってたっけ。



高橋は休み前…。



「宮さん、話すの久しぶり!!」

「えっと…」



たしかコイツは俺が去年担任をしたクラスのヤツ…。



記憶がないことを知らない生徒達に、気付かれないようにするのは大変…。



「河原、進路決まったか?」

「ん、彼女と同じ大学行こうかなって思ってて」

「へぇ~、彼女いんのか。お前顔いいもんな」

「顔だけじゃないんですけど~」



1日5人ずつの面談は意外と楽しかった。



そして休み前、ついにヤツが俺の目の前に…。



つなぎに適当な髪型で全く理事長の威厳なんかない俺。



「久しぶり」

「ですね。負けました…」

「いや、お前に知られてよかったよ。俺達、次に戻る時はもっと成長できてるはずだから」

「同じようなこと言うんスね…。もういいっスよ。で、俺、大学行ってもバスケ続けます。終わり」

「卒業しても元気でな」

「先生も」



お前の分も幸せにするから。



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