倉庫の王様
あのスミレがサチと話したなんて…。



「あのね、チビって言ったら遊和兄は元気かって」

「へぇ…」

「元気だよって答えてあげた」

「そう」

「楽しそうだった。遊和兄のことちゃんと信じてるんだなって感じて…少し見直した…」



マジ会いてぇっ!!



あぁ~…会いてぇ…。



会って抱きしめるだけでいい。



俺だって気付かなくてもいいからあの小さい背中を抱きしめたい…。



「キョウ兄が頼んでたブレスレットも預かってきたよ!!」

「ありがとう。サチさんが作ったヤツ?」

「売り物になんねぇって言うからもらって来ちゃった!!」



なんで桔梗がサチ作のシルバー着けんだよ!!



俺…指輪返しちゃったじゃん…。



でもあの猫だかライオンだかわかんねぇの持ってるもん…。



枕元に座ってるもん…。



羨ましくなんかねぇし…。



「兄さん、顔が引き攣ってますがなにか?」

「ぜってぇ結婚してやる」

「そうですか」

「あ゙ぁぁぁぁ!!会いてぇっ!!」



死にそうだ…。



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