倉庫の王様
あたしってママに似てたんだ…。



父がずっと言ってた意味がわかったよ。



「これ、サチのママの形見。お前が持ってる方がいいと思って今日まで大事にしてきた」



古い指輪には小さなダイヤがついてた。



本当のママの指輪…。



「兄貴の指輪は事故の時に探したけど見つからなくて…。これはふたりの思いだから。幸せの絶頂にいた、サチの両親の…」

「ありがとう父…」

「よくここまで大きくなってくれたな…」



朝からしんみりムード。



涙ぐんでる父を見て、胸が締め付けられるようだった。



「父は世界一の父だよ。今まで育ててくれて、本当にありがとう」

「サチぃぃぃぃ～…」

「せっかくアユミさんにキレイにしてもらったのに泣いちゃうじゃん!!父のバカぁぁぁぁ～…」



バカ親子かもしれない。



だけどあたしの父は、本当に偉大で、本当に強くて逞しい。



いつか親孝行できたらいいな…。



「早く行きなよもぉ～…」

「アユミさんだって泣いてるくせにっ!!」

「感動したんだも～んっ!!」



みんな、大好きだよ。



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