倉庫の王様
涙を拭いて、向かうところは先生と出会った学校。



靴を履き変える時、イブ君に会った。



「カワイイな、サチ」

「へっ!?」

「今までごめん。すげぇ罪悪感ばっかりで…謝りたかった…」

「イブ君、カッコイイね!!ありがとう!!」

「大丈夫だよな!?俺のせいでこのまま終わりなんてねぇよな…?」



心から笑えた。



笑顔で頷くと、ホッとした顔をしたイブ君はため息をつきながらその場にしゃがみ込んだ。



「よかった…」

「ごめんね?いろいろと」

「俺が悪いから。幸せになれよ、サチ…」

「うんっ!!イブ君もね!!」



和解できたと思った時、上履きの中がなんだか冷たいことに気づいた。



なんか…入ってる?



靴を脱いでみるとそこにあったのは倉庫のカギ…。



先生は約束を忘れてなかった。



嬉しくて握りしめたカギを大事にポケットに入れた。



さぁ、あたしの未来の第一歩!!



立派に卒業するからね!!



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