倉庫の王様
卒業式の後は保護者が教室へ来て、羽賀先生がはなむけの言葉をみんなに送った。



仕事を休んで来てくれた父は式中に泣いたのか、目が真っ赤。



最後のホームルームも終わって、あとは帰るだけなんだけど…。



「じゃあ着替えてカラオケ集合ね!!」

「あの…あたし…」

「遅れてもいいから来なよ、待ってる!!」

「うん!!」



みんなとの卒業パーティの前に先生に会いに行かなきゃ…。



で、問題なのは父。



「お前がいちばんカワイイなサチ~…」

「うん、うん…あのさっ!!」

「父ちゃんはサチの出す決断なら反対したりしないから。行っておいで」

「えっ?」

「自分で決めるんだよ。いつもサチの味方でいるから」



まさか父も知ってた…?



どうして!?



「お父さん偉いね~」

「これは羽賀先生、1年お世話になりました」

「相当ごねたんでしょ?カワイイなぁ、お父さん」

「カワイイ娘だからそりゃあね?」



あたし…先生に会いに行ってくる。



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