なんでも屋 神…第一幕
第五章
「あの、今日は定休日だったんですか?」



今回の依頼者は、目の前の椅子に座っている女性。名前は尾形ミチル。彼氏からの暴力…ドメスティクバイオレンスから逃げ出したいとの事。



「いえ、今日はたまたま休みにしたんですよ。気まぐれでやっているような店なんで…あの、失礼ですが、ウチより警察に行かれた方が宜しいかと思います。それは立派な傷害罪、暴行罪ですので。」



全国から旦那や彼氏に暴力を振るわれると言う相談が相次ぎ、それに伴いテレビ放送等でも取り上げられた事から、それまで民事不介入を理由に動かなかった警察も動かざるを得なくなり、今では傷害罪や暴行罪を適用して検挙や警告を与えるようになった。



早い話しが、警察のフットワークが軽くなったのだ。



ミチルはトンボの目のように大きいサングラスを外し、咽び泣くように涙を流した。
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