なんでも屋 神…第一幕
サングラスを取った左目の周りには、拳大の真新しい青痣が痛々しく付いていた。



「…警察には行きたくないん…行けないんです。」



その彼氏とは、四年前に知り合い同棲を始めたと言う。当時24歳だったミチルは、ラウンジで接客業をしていた。その店に来ていた客の一人から猛烈なアプローチを受け、根負けして付き合う事になったのだとか。



客として店に来ていた時から、なんとなくヤクザと言う事は薄々気付いていたらしい。



付き合い始めは優しかった彼氏だったが、組内でゴタゴタがあるとミチルに暴力を振るうようになったと言う。



「警察に頼って逮捕されたら後が怖い…そう言う事ですね?」



ミチルは一向に止まらない涙を流しながら、俺の言葉に大きく頷いた。



最近ヤクザ絡みの依頼が増えたな…。
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