なんでも屋 神…第一幕
「分かりました。ご依頼を受けるか考えたらご連絡差し上げますので、この紙に一筆お願いします。」



そう言って俺は、デスクの上に置いてあるメモ紙とペンをミチルの前に出した。



ミチルが電話番号を書き終え、彼氏の名前を書き出した時、俺の目が固まった。



「彼氏ってもしかして、[神堂組]の方ですか?」



俺の言葉に、不思議そうな顔で頷くミチル。



マジか…ミチルの彼氏は[神堂組]の頭、羽尾勝也かよ…。



俺も直接会った時は無いが、兄ぃの兄貴分にあたる人だから、恐らく優秀な人物なのだろう。



歳だって、兄ぃの十個は上な筈だ。



だが、その一方でミチルに暴力を振るう男…。




チグハグな情報が入り交じって、俺には羽尾勝也という人物を上手くイメージ出来なかった。
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