なんでも屋 神…第一幕
愛しい妹が、無惨な変わり果てた姿になるまでの、一部始終を収めたカメラ。



俺への見せしめだけに撮られたものを見終わった後で携帯は叩き潰したが、俺の脳裏に焼き付いた記憶は消えてくれない…。



それでも暫く[住谷組]の名前を聞いていなかったので、徐々に思い出す事は少なくなっていた。



兄ぃにあのバーで言われるまで…あれから事有る事に思い出してしまう、償えもしない過去…。



…そしてその元凶は、俺自身と言う変えられない事実。



あれから日が経つ程、鮮明に蘇ってくる記憶。あんな事が一葉の身に起きたら…そう思うと、一葉を側には置いておけかった。



一葉に分かって貰おうなんて思って無い。嫌うなら嫌ってくれ。怨むなら怨んでくれ。



それで良い。どうせ俺はもう、最愛の妹に怨まれているのだから…。
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