なんでも屋 神…第一幕
電話を着る間際の、小龍の言葉が頭の中を駆け巡る…これ以上は本当に危険ですよ…だが、俺の答えはNOだった。



ノリは兄ぃに電話で報告したが、兄ぃからの指示は何も無いと言う…完全にお手上げだ。



守りが先手になるこの喧嘩…限りなく勝ち目は薄い。せめてこっちに有利な物がないと…有利なもの…モノ…。



「ノリ…[三谷組]が何処に四百キロもの覚醒剤を隠すと思う?」



溜め息混じりに肩をすくめ、呆れ顔で俺を見てくるノリ。



「そりゃ組の金庫か事務所の中だろ!組に泥棒が入ったなんて話し、俺は聞いた事がねぇ。一番安全な場所だよ。」



今度は俺が肩をすくめてノリと向き合った。



「ガサ入れがあったらどうする?事前に警察内部から情報が流れてきたら良いが、そんな事をするなら他に隠す方が得策だろ。」



「おいおい、日本全国探す気かよ。そんな事してたら奴等がブツ捌き終わっちまう。」



流石、勉強が嫌いだっただけの事はある…もう少し考えろよ。
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