なんでも屋 神…第一幕

飯を食った後、準備を整え終わった俺は、家の車庫から高校時代に乗っていた黒いマジェスティに跨って事務所に向かった。



季節は秋だが昼間はまだまだ暖かい。半袖に長袖のシャツでも少し暑いくらいだが、バイクに乗ってる時は丁度良い。



家からさほど離れていないボロッちいビルの前に着いてバイクを降りる。そのままエレベーターに入り、事務所のドアに鍵を差し込んで中に入る。


「じ〜んくん、おはよう！」



ドアを閉めようとした時、後ろから声を掛けられたが無視して中に入った。



「ちょっと〜挨拶くらいしてくれてもいいじゃん！」



ポケットに入っていた、携帯、タバコ、財布、鍵を順番にデスクの上に置いて、一階の喫茶店［トレイン］のマスターに電話してモカを二つ頼んだ。



デスクの椅子に座り、タバコに火を付けて溜め息と一緒に煙を吐き出す。


「一葉、お前いい加減ガッコ行けよ。お袋さんも心配すんだろ。」