なんでも屋 神…第一幕
第九章
いつの間にか眠ってしまった俺を起こしたのは、ノリからの電話だった。



その突然の言葉に、俺の重たい瞼は一気に開かれた。



[三谷組]の若頭である曽根彬が、自分の別荘である離島に籠もっていると言う。



消える前に曽根の付き人が、クラブの女にポロッと漏らしていったらしい。



ノリを含め兄ぃの子飼い達が、朝一でその離島に飛ぶから暫く連絡は取れない、ノリはそれだけ言い残して一方的に通話を切り、そこから音信不通になった。



携帯をテーブルに置いて窓を眺めると、今日は生憎の秋雨…。



その哀切を含んだような天の滴は、俺の気分を沈鬱にさせる。



それでも何とか身体を一階の方に向けると、携帯の背面ディスプレイに着信の表示…そこには十一桁の番号だけが並べられていて、登録はされていない番号だった。
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