なんでも屋 神…第一幕
十人から居た組員が一瞬呆気に取られ、次の瞬間には至る所から罵声と怒声が俺の全身に浴びせられた。
「ウチの若頭を呼び捨てにして、ただで帰れると思うなよガキが。」
青白い顔をした金髪が、そう吠えながら腰に手を回した。
「止めろ木暮。この男には何を言っても無駄だ。」
奥からやってきた組員は、兄ぃの運転手をしていた萩と言う組員。
半数の組員は、萩の言った意味が分からなかったらしく小首を傾げていた。
「黒沢の兄貴から通すように言われている。まさかアンタがあの毘沙門天だったとはな…あの時、兄貴に言われた言葉の意味がやっと分かったよ。」
兄ぃの奴喋ったな…まぁ、それでなければ通してはくれないだろう。
「ここからは客人だ。俺の後を付いてきて下さい。抜かなくて良かったな木暮…。」
金髪の横を通りすぎる時、その手には白木の柄の短ドスが握られていた。
今の状態でドスを抜かれたら…そんな事を考えると、僅かに右腕が疼く気がした。
「ウチの若頭を呼び捨てにして、ただで帰れると思うなよガキが。」
青白い顔をした金髪が、そう吠えながら腰に手を回した。
「止めろ木暮。この男には何を言っても無駄だ。」
奥からやってきた組員は、兄ぃの運転手をしていた萩と言う組員。
半数の組員は、萩の言った意味が分からなかったらしく小首を傾げていた。
「黒沢の兄貴から通すように言われている。まさかアンタがあの毘沙門天だったとはな…あの時、兄貴に言われた言葉の意味がやっと分かったよ。」
兄ぃの奴喋ったな…まぁ、それでなければ通してはくれないだろう。
「ここからは客人だ。俺の後を付いてきて下さい。抜かなくて良かったな木暮…。」
金髪の横を通りすぎる時、その手には白木の柄の短ドスが握られていた。
今の状態でドスを抜かれたら…そんな事を考えると、僅かに右腕が疼く気がした。