なんでも屋 神…第一幕
凡そ一年半振りの日本は、余り変わった所が見られなく、少しがっかりした。



空港を出てタクシーに乗り込み、運転手に実家の住所を告げてから、そんな日本にウンザリするような顔で過ぎゆく景色を眺める。



だがそんな印象も実家付近になるにつれ、次第に変わっていく。



小さな会社がごみごみと入っていたペンシルビルは駐車場に、眼鏡屋だった建物は何処にでも有るコンビニに様変わりしていた。



そして実家の住所に着いた瞬間に、急いでいたのでドルを両替していない事に気付いたが、運転手は後ろを振り返らずに、一万二千八十円ですと告げてくる。



「悪い、急いでたから両替するのを忘れてた。２００ドル渡すから後で両替してくれ。お釣りは手間賃にしといて。」



「困りますねぇ〜お客さ…。」



一瞬あからさまに怪訝な表情を露わにした運転手だったが、言葉を発した後にドルを計算したらしく、ぎこちなくだがドアを開けてくれる。



現金な運転手が車を静かに発進させている時、衝撃的な事実を目の当たりにした。
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表紙・目次

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