なんでも屋 神…第一幕
「いただきます。」



「それ私が作ったんだよ!」



カレーにスプーンを付ける手前で、俺の手が見事に止まった。



疑惑の眼差しで一葉を見ると、さっきまでの怒り顔は消えている。



「じゃあ俺そろそろ寝るわ。」



そのまま椅子を立とうとする俺の肩を、一葉が両手で上から力一杯押さえ込む。



「…お前変な物とか入れなかったろうな?そこら辺にいる虫とか蛙とか…。」



一葉は無言で俺を見下ろし、顎で黙ってカレーを食えと命令してくる。



なんで六つも年下の奴からこんな仕打ちをされなきゃいけないんだ…。



カレーを食うだけの為に、こんなに気合いが必要なのは初めてだな。



はぁ…よしっ!
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