なんでも屋 神…第一幕
恐らく、彼奴等は何処の組織の一員…。



徐々に離れていくパトカーを見ながら、そんな事を考えていた。



あの腹の据わりや物腰はただ者ではない。後から出てきた、奴等の兄貴分と見られる角刈りの絶対的な威圧感…関わり合いにはなりなくないな。



パトカーのテールが大きな右カーブで、ブレーキランプの流線を描きながら消えていくのを確認し、元の車線に車を戻した。



「…彼奴等何者だ?」



目的地である街並みが、漸く遠くに見えてきた。



「分からない…でも、物腰から見てただ者じゃ無かった。」



松の話しでは、俺とチンピラが睨み合っていたのは一分も無かったと言う。



一気に緊張の糸が解けた俺は、重力に任せて身体をシートに任せた。
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