WILD ONE ~キミに夢中~
「あ……、やべぇ。忘れてた」
アッキーがポケットからゴソゴソと紙袋を出す。
……彼女が渡したヤツ。
「なにそれ?」
「これ、ゴリラに渡してって言われてたんだった」
紙袋の中から出てきたのは小さくて細いスプレー式鎮痛消炎剤とテーピング。
「え?中山そんなに怪我してた?目の上だけじゃないの?」
「あぁ……たぶん見えないとこ。アバラとか手首とか……。ミサキの前で喧嘩したらしいからさぁ。アイツ結構心配性なんだよ、あれで」
“あれで”とか言われても分かんないんだけどさ。
“ミサキ”って遠くから顔見ただけだし。
“アイツ”とか言われてもさ。
アッキーの横顔があまりにも穏やかで、そこからはなにも伺えなくて。
やっぱりあの背中は私の思い過ごしなのかなって思っちゃう程、今のアッキーは普通だった。
けど、じゃあなんで私達こんな綺麗な夕日なんて見ちゃってるのって話で……。
アッキーがポケットからゴソゴソと紙袋を出す。
……彼女が渡したヤツ。
「なにそれ?」
「これ、ゴリラに渡してって言われてたんだった」
紙袋の中から出てきたのは小さくて細いスプレー式鎮痛消炎剤とテーピング。
「え?中山そんなに怪我してた?目の上だけじゃないの?」
「あぁ……たぶん見えないとこ。アバラとか手首とか……。ミサキの前で喧嘩したらしいからさぁ。アイツ結構心配性なんだよ、あれで」
“あれで”とか言われても分かんないんだけどさ。
“ミサキ”って遠くから顔見ただけだし。
“アイツ”とか言われてもさ。
アッキーの横顔があまりにも穏やかで、そこからはなにも伺えなくて。
やっぱりあの背中は私の思い過ごしなのかなって思っちゃう程、今のアッキーは普通だった。
けど、じゃあなんで私達こんな綺麗な夕日なんて見ちゃってるのって話で……。