WILD ONE ~キミに夢中~
本来、直球しか受け取れない私はやっぱりすぐに結論が欲しくなってしまう。

『ねぇ、ホントは──』、そう言おうと開いた唇を、冷たい指が軽く押さえた。

「……アホな事は言わんでいーから。妄想だ。ドラマの見すぎ~」

『な?』と首を傾げて私を覗き込むアッキー。

「お前、本当にアホでバカでしょーもねぇ」

その指が唇をスッと撫でて遠のいた。



「うう~!さみッ!もう無理ッ。帰るぞぉ」

少し背中を丸めたアッキーが立ち上がって右手を差し出す。

「なに?」

「手ぇ出せ。元気ださせてやる」

アッキーは意味不明なセリフで強引に手をひっぱって私を立たせるとニヤッと笑った。

ん?

なにその“したり顔”?

「てか、私元気だけど?」

元気ないとしたら、アンタでしょ?
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