WILD ONE ~キミに夢中~
冬の風と共に高藤アッキー冷戦時代が浦ヶ崎に来た。

中山が“イライラしてる”と言った高藤は、あれからも日増しにイライラ度をアップしていった。

そしてここ最近は学校でもあまり顔を合わせなくて、たまに姿を見せるといつもどっかをケガしてた。

その度に中山が『仇とったるぅ!』と叫び、『負けてねぇよ……』と高藤が低く唸ってそれを静止する。

高藤が暴走(と言っていいと思う)……たぶん暴走しているのに、

不思議だけどそれを見ながらアッキーは何も言わなかった。

私がアッキーなら言いたい事いっぱいあると思うんだけど。

喧嘩の後始末とかアッキーがしてるみたいだし。

けど今日もそんな高藤を見てアッキーはただ眉間にシワを寄せるだけ。

そしてきっと後で晴海先輩のトコへ行くんだろう。

私が転校してきた頃は『自分で行け』、『ヤダ』ってふざけてた2人なのに、最近はそんな会話もない。

あぁ、居づらい。

こんなギスギスした雰囲気じゃ落ち着かなくて弱点探しどころじゃないじゃん。

固く冷たい空気を吸いながら小さなため息をついた。

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