WILD ONE ~キミに夢中~
高藤、電話すんの?

てか自分の携帯持ってるじゃん?

「……なんで?」

「あ゛?俺が黙らせてやる……」

ついに俺様マコ様のイライラは私の携帯にまで及んだって事?

こ、恐!!何の恨みがあるんだよ、私の携帯に!とは言えず。

「……自分でしますです、はい」

『携帯ムカつく』とこれまたずいぶん俺様なセリフを吐く高藤に背を向けるようにしてメールを確認した。

“おめでと~”

とか

“ハッピーバースデー”

とか、そんな件名が並んでいる。

……ああ、だからかぁ。

今日は朝から携帯がよく鳴るな、とは思ったんだ。

冷戦時代ですっかり忘れてたよ。

「……そっか。タキ、今日誕生日なのか」

「うわッ!見ないでよ!!」

いいじゃ~ん、大したメールないじゃん?と中山がニヤニヤして高藤の机から取ったピンクを差し出す。

誕生日プレゼント、とか言いながら。

……高藤のじゃねぇの?それ。
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