WILD ONE ~キミに夢中~
私の祈りは──


まるで神様に届かなかった。

それどころか、更に状況は悪くなっていく。

「楽しいよなぁ、アイツらの三角関係──」

いや、全然。

神は何をしているんだ!居留守か!?

「……このまま黒田が退くか。はたまた高藤が罪悪感で子猿と別れるか。俺、黒田が退くに1万。テルは──」

隣から聞こえて来る声にギョッとして

「俺、高藤の自爆に1万」

斜め前方からの声に目眩がした。

……はぁ!?

なに!?

空耳かと思ったけど、テルさんが『あ、自爆って別れるって意味だから』なんて

ホントどうでもいい補足説明まできっちり耳に届いて来たから、どうやら耳のせいじゃないらしい。

思わず口をついて出たセリフはこんなもの。

「それはいかんだろ?」

「お前はおっさんか!?」

晴海先輩にすかさず突っ込まれた。

おっさんじゃねぇよ!

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