WILD ONE ~キミに夢中~
仕方ないから先に「先輩サイテー!」と叫ぼうと思ったら、

「……俺は、黒田が退くに1万っス」

と中山までが低い声を響かせた。

中山、寝返った!?

ハンマーで頭をフルスウィングされた気分になった。

「で、お前どうする?」

と訊く晴海先輩に、クラクラする頭をなんとか持ち上げて。

死ねッ!とカウンターが炸裂した──

と思ったら、パシッと右手で払い落とされてしまった。

……浦ヶ崎、喧嘩慣れしたヤツ多すぎねぇ?

しかも楽しそうだ。

お前が不利になんねぇように、ちゃんと話てやっから──

晴海先輩は殴ろうとした私に向かって、本当に楽しそうに言う。

……頭おかしいに違いない。
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