WILD ONE ~キミに夢中~
「いいね。そーゆうの」

「いくねぇよ。俺、基本的に揉め事嫌いだしよ……」

喧嘩は好きなのにねぇ、と茶化す私のペースにアッキーはまるで乗る気がないらしく、見事に流された。

「タキ、今日は悪かったな……」

「何が?」

「俺、急に学校飛び出しちったから……。けど晴海先輩ちゃんと送ってくれたろ?」

「……うん」

病院までだけどね。

アンタの純粋な恋心と友情を賭けのネタにしてる様なろくでなしだけどね。

あんな奴に送って貰ったのがむしろ悔しいくらいだけどね。

言えないけどね。

ブルッと身震いしたのは気温のせいだけじゃない。

私は急須でお茶を入れると座布団の上に座った。
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