WILD ONE ~キミに夢中~
抱きしめたアッキーは思ってたより温かかった。
「……アッキー、泣いてていいよ」
「泣いてねぇよ」
少し籠った声が耳に心地いい。
高藤とは正反対の結論を出したアッキー。
お人好しアッキー。
「泣けばいいのに……」
「アホか……」
私の前でだけ、泣けばいいのに……。
ミサキの前でだけ、あんな困った顔すんなら、
私の前でだけ、泣けばいいのに──
へんな独占欲にかられる私の胸に埋もれたまま、真っ赤はしばらく動かなかった。
カチカチと古い掛け時計の音がやけに耳について。
もしかしてお腹鳴ったらどうしよう……。
この体制でお腹鳴ったら、孫の代まで笑われるに違いない。
そんな下らなくて重大な乙女の悩みが頭を駆け巡り出した頃、腕の中の真っ赤がピクッと動いた。
そして──
「……お前、胸ないよな」
はぁ!?
空耳に違いない。
この場のこの雰囲気で──
「A?それともスーパーマイクロA?」
こいつマジあり得ない!!
……死ね。
「あ゛?」
……なんでこれだけは伝わるんだろう。
「……アッキー、泣いてていいよ」
「泣いてねぇよ」
少し籠った声が耳に心地いい。
高藤とは正反対の結論を出したアッキー。
お人好しアッキー。
「泣けばいいのに……」
「アホか……」
私の前でだけ、泣けばいいのに……。
ミサキの前でだけ、あんな困った顔すんなら、
私の前でだけ、泣けばいいのに──
へんな独占欲にかられる私の胸に埋もれたまま、真っ赤はしばらく動かなかった。
カチカチと古い掛け時計の音がやけに耳について。
もしかしてお腹鳴ったらどうしよう……。
この体制でお腹鳴ったら、孫の代まで笑われるに違いない。
そんな下らなくて重大な乙女の悩みが頭を駆け巡り出した頃、腕の中の真っ赤がピクッと動いた。
そして──
「……お前、胸ないよな」
はぁ!?
空耳に違いない。
この場のこの雰囲気で──
「A?それともスーパーマイクロA?」
こいつマジあり得ない!!
……死ね。
「あ゛?」
……なんでこれだけは伝わるんだろう。