WILD ONE ~キミに夢中~
私が寝た振りしてるからって、蹴るんじゃねぇよ!

「だから言ったじゃねぇか、俺は泥棒じゃねぇってよぉ──」

私のゴツいベルトの金具の端っこが床に擦れてガスガスッと音をたてて。

トモ婆ちゃんのヒャッヒャッと笑う声が響いた。

「麦茶いれっから、母屋に来いよ~。ヒャッヒャッ……」

トモ婆ちゃんの足音が遠ざかり、バタンッとドアが閉まる音が耳に届く。



…………。

この沈黙どうすんだ。

トモ婆ちゃん空気読めって。

ここは私も連れくトコだろ。

どう考えても今、アッキーと二人きりなんて、あり得ないだろ。


仕方なく両手を胸の上で組んでみた。

私、形から入るタイプだから。


アーメン──
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