WILD ONE ~キミに夢中~
「──おいッ!おいッ!いい加減に起きろ」

「キャンッ!」

耳に違和感を感じると共に目を開くと、しゃがみこんだアッキーが私の耳の穴に指を入れている。

あり得ねぇ……。

バシンとその手を払うとモソモソと上半身を起こした。

「まずは謝れや?……これ」

アッキーが指さした形のいい唇は少しだけ黒ずんでいる。

見上げた顔はちょっと日本人にしてはほりが深くて。

涼しげな瞳にすっきりと通った鼻筋。

スッと真っ直ぐで、意志の強そうな眉。

全てがあるべき場所にあるべき形であるような……

そんな印象を受ける整った顔だ。

こんな場面なのに綺麗な顔してんなぁ、なんて一瞬見とれてしまう。

「謝れや?」

と言う薄めの唇は一部の黒ずみを除けば見れば見るほど桜色で。

やっぱり気を抜くと見とれてしまう。
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