WILD ONE ~キミに夢中~
高笑いのアッキーのバイクに、私は熱く震える拳を理性で押さえ込み乗せてもらい、何とか無事に遅刻せず登校する事に成功した。

私の前には『黒田先輩ッ、おはよーございますッ』と掛けられる声に適当に返しながら歩くアッキー。

へぇ……。

アッキー、だてに派手な頭じゃないんだね、なんて自分の頭を棚にあげて思う。

駐輪場からこの校舎に入るまでの間に本当に沢山の生徒がアッキーに反応した。

真面目そうな子もカラフルな頭のやんちゃそうな子も皆。

避けるように目を伏せる人、道をあける人、挨拶する人、睨みつける人。

とにかくそこにいる大半の生徒がアッキーの存在に気がついて何らかのリアクションをとる。

まあ、それはすごいんだけど。

アッキーの勝手だから『わぁ、すごいなぁ』でいいんだけど。

今日の私はそうはいかなかった。

そのおかけで当然の事ながら、そんなアッキーの斜め後ろを歩く私に視線が投げかけられるわけで。

覚悟はしていたつもりだけど──

うざい!
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