WILD ONE ~キミに夢中~
教室中が一瞬シーンと静寂に包まれ、ちょっと『え?黒田君の?』とか『え?彼女?いたの?』とか『きゃぁ』とかそんな黄色いちいさな叫び声があがった頃──

私にしたら鼻血の出そうな、ちょっとドキドキしたセリフはアッキー本人によってサクッと否定される事になった。

『わざわざブスにちょっかい出す事ないだろ?』と。

再びざわつく教室。

『な~んだ、やっぱね』的な視線が痛い。

アッキーのセリフからして、銀色と黄色はゲイじゃなくて黄色が寝ている私にちょっかいをだそうとして、銀色が止めていたらしいけど……

だから銀色にはお礼を……

──じゃなくてッ!

今の『ブス』は私の事か!?

それはちょっとはっきり言いすぎじゃね!?

でもアッキーの黒いオーラがまだユラユラしてるので、賢明な私はグッとこらえる。

てか1%の確率で私じゃないかもしれないし?

その一方で『ええ?ブスぅ?誰ぇ?』とまるでどす黒いオーラを気にしない黄色はかなりのツワモノにみえる。

そしてアッキーの視線は無残にも私に注がれ、『タキ』との重低音が私の“ブス”を確定した。

……クソッ!

公衆の面前で『ブス』と言い放たれた乙女の気にもなれよ!

んなろうッ!
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