time
しばらく経つとウワサが聞こえてきた。
―海斗は“あいちゃん”のことが好き―
あいちゃんと呼ばれる子は1つ年下であたしの親友。
とても可愛くて女のあたしから見ても素敵だった。
海斗が惚れるのも分かる。
でも、
そんなこと実際にないと思っていたのに。
けれどあたしの不安はさらに大きくなる
昼休み廊下で楽しそうな声が聞こえた。
「ねぇ、海斗クン。あたしね、昨日お母さんと海斗君の話してたんだよぉ~。とぉっても優しいって。」
可愛い笑顔で話すあいちゃん。海斗は…
「そんな話したの!?もうあいちゃんは~」
脹れながらも嬉しそうに照れている。
そんな顔するんだっ。。。
「今度ね、あいのお家に来ていいよ!それでね一緒に遊ぶのー!」
「ありがとう。いっぱい遊ぼうなァー!」
2人を見ているのが辛くて急いで教室に入った。
あたしは、海斗の彼女でもなんでもない。
しょうがないの。
分かってるけど現実は思った以上に残酷だった。
時どきあいちゃんに会ったけれど、ワザと知らないふりをして避け続けた。