time


ある日の放課後。

「あ!美絵ちゃ~ん★☆」

大きな声で呼んでいるのはあいちゃんだった。
あいちゃんはそのまま走って駆けてきた。

「美絵ちゃん。一緒に帰ろう!」

「・・・うん!いいよ。」

この間のことが気になったけれど、ずっと避けるわけにもいかないので一緒に帰ることにした。


「あいちゃんと帰るの久しぶりだねぇー」




本当は、会いたくなかった。
海斗のことを思い出して苦しくなるから。

「ぅん!あいね、ずっと美絵ちゃんに会いたかったんだぁー」




あいちゃんは海斗のこと好きなのかな。



そればっかりが気になって集中できない。





その時、
あいちゃんから意外なことを聞かされた。

「美絵ちゃん、あいね優輝クンのことが好きなんだ。内緒だよ!」

えっ?

優輝クンは4年生の男の子だ。
カッコいいから女子にわりとモテる。

そうだったんだ。
海斗じゃなくて・・・

「あいちゃんごめンね。あたしずっと海斗のことが好きだと思って疑ってた。ごめん」

恥ずかしい。
勝手に思い込んでへんに嫉妬して。

うつむいているあたしに、あいちゃんは言った。

「海斗クンのこと好きなんだね。あいも知らなくて嫌な思いさせちゃった。ごめんね。」

あいちゃんの優しさに涙が流れた。
こんなあたしを許してくれるんだね。

「・・・ありがとぉ。」

「うん。あいは優輝クン、美絵ちゃんは海斗クン。じゃあ一緒にがんばろうね!」

「うん!!大好きだよあいちゃん」

そしてお互い微笑みまた歩き始めた。

誤解も解けたあたしたちは前よりも仲良くなれた
気がした。



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